男性読者からの「女性から見たカッコいいメンズインナーとは」や、女性読者の「夫・恋人をカッコよくしたい」という皆様の声に、少しでもお応えすべくMIFでは、各メーカーの企画・デザイン・営業に関わる女性5名による座談会を行いました。実際にトレンドを発信する立場から、進化を続けるメンズインナーの今後の可能性について熱く語っていただきました。
参加者 (五十音順)
■株式会社 アズ 生産企画部  Aさん
■株式会社 フジボウアパレル レディスインナー部  Fさん
■グンゼ 株式会社 メンズ&キッズカンパニー  Gさん
■株式会社 ロイネ インナーウェア営業部  Rさん
■株式会社 ワコール ウイングブランド事業本部  Wさん
■進行役:メンズインナーファッション事務局(MIF)

MIF: まず最初にお尋ねしたいのですが、みなさんはここ数年でメンズインナーの「何が」大きく変わったと思われますか?
A: やはり、色のバリエーションが増えたことでしょうか。アイテムもブリーフ・トランクス以外にボクサー・ニットトランクス・ローライズなどがあっていろいろ選べるようになりました。
株式会社 アズ
生産企画部 Aさん
W: 本当にバリエーションは豊富になりましたね。売り場が華やかになったおかげで、最近は若いカップルが売り場に足を運んでくれるようになって、これってすごい進化だと思います。ちょっと前の地味な売り場では、若い女性は絶対に来てくれませんでした(笑)。
R: 確かにメンズインナーに対する意識は男女ともに確実に変化しています。おかげで広告量 も増えてきたし、売り場サイドからのオーダーもチャレンジ的なものが多くなって、デザインする側にも可能性が拡がってきたと思います。
A: そうですよね。でも、現場は楽しくなりましたが、その反面 ちょっと大変にもなりました……。
一同: (笑)  
G: それと、多様化した原因のひとつに新素材の開発が進んだことも忘れてはいけないですね。ストレッチ性や保温性がいいとか、吸汗速乾性に優れているとか、とにかくいろんな機能のハイテク素材が登場しています。
グンゼ 株式会社
メンズ&キッズカンパニー
Gさん
W: 新素材から生まれたアイテムといえば、吸汗速乾性に優れた夏のロンパン。あの人気には凄いものがあります。一度履くと、みなさん、その気持ち良さにハマってしまうみたいで。
F: 私の友人でも夏にロンパンを履く人が増えてきたのは驚きです。ちょっと前なら「ステテコ」ってことで若い人には敬遠されていたのが、今は全然そんなことがない。あと、冬にスパッツを履く人もふえてきました。「モモヒキ」ならイヤだけど、スパッツならOKなんです。
G: ストレッチ素材が進化したことも大きいと思いますよ。スパッツのように保温機能をもたせつつ、おしゃれでタイトなシルエットが出来るようになったのは凄い進化だと思います。見られても恥ずかしくないインナーっていうのはこれからもどんどん増えるでしょうね。
一同: (大きく頷く)  
MIF: では逆に、まだこのあたりが足りない、と思われる点はありますか?
W: 日本では海外にくらべてセクシー系のインナーが少ないことですね。日本でもセクシー系の需要はあると思うのですが。
株式会社 ワコール
ウイングブランド事業本部
Wさん
G: 東京に行けばセクシー系がよく売れるショップがあるのも事実です。
A: いささか、やりすぎって感じのものもありますけどね(笑)。
G: でも、日本でもセクシー系をもっと増やしてもいいかもしれないですね。例えばブリーフをセクシー系にしてみるとか……もちろん、今風のトレンドにするというのもアリですが。それと、Tバックもいいかも。
W: Tバックは意外に人気ありますよね。もう10年くらい前ですがTバックを作ってたことがあります。ひそかに根強い人気だったのを覚えています。残念ながら今は作っていないのですが、もしネット販売したら、間違いなく販売数増えるでしょうね。
MIF: 他に、意外と売れているインナーってありますか?
R: 淡色ベースできれい目なプリントボクサーや白のデザインボクサーとか思ったより反応がよかったりします。
MIF: 定番以外のカラーでもしっかりとしたニーズやスタイルがあるんですね。
F: 男性が大胆なデザインのインナーでも恥ずかしがらずに買える情報やシステムを提供するのも私達の役目だと思います。

MIF: でも、これほど活気があるのにメンズの市場が飛躍的に大きくならないのは、なぜでしょう?
R: おじさんと呼ばれる世代が、自分でインナーを購入するケースがまだまだ少ないからじゃないですか?
株式会社 ロイネ
インナーウェア営業部 Rさん
F: そうですね、男性と女性では身につけるものへのこだわりが全く違いますから。「タンスに入っているものなら何でもいいや」っていう感覚、女性ならおばあさんでもそんなことは思いませんよ。
A: そうですね。妻が選んだものなら何でもいいっていう人は多い(笑)。
R: メンズインナーが進化したとは言え、まだまだ買う側の意識が低い面もありますから、“いつもの商品”が売り場を大きな面積で占め続けていたのでは、“いつ行っても同じものが買える”という意識につながるような気がします。ですから、目新しい商品を次々に送り込まないと男性を売り場に呼び込むことは難しいのではないでしょうか。
MIF: すいぶん悲観的な感じがしますが?
G: でも、おじさん世代にも美意識が少しずつ芽生え始めていると思います。40代でも美脚パンツを履く人はいるし、シルエットにこだわる人も増えてきました。アウターにひびきにくいシームレスボクサーの動きも良いですしね。だからインナーに関しても意識の変化は見られますよね。
R: 確かに雑誌の「DIME」や「LEON」なんかでメンズインナーの特集が組まれた時はびっくりするほどの反響がありました。男性が変わろうとしているのは紛れもない事実でしょうね。
G: それと、最近のメガストアのように、売り場自体が家族みんなをターゲットにした造りになっていることも男性の意識を変え始めた要因のひとつだと思います。妻が自分の服を見ている間に、夫がインナー売場を訪れますよね?すると意外に楽しくて「自分で下着を選んでみたい」と思い始める人って結構多いんですよ。
MIF: なるほど、それは興味深いですね。……他に何か、男性を売り場に呼び込む方法はありますか?
A: クールビズやウォームビズみたいなわかりやすい切り口をどんどん提案することですね。あれは男性に自分でインナーを選ばせる良いきっかけになったと思います。実際クールビズがロンパンを、ウォームビスがスパッツを浸透させるのに成功しましたから。
MIF: 確かにストレッチ素材とか吸汗速乾とか、機能面 で優れたものを身につけるとその違いははっきりわかりますからね。
A: いいものを身につけると気分がいいのは女性も男性も同じです。
W: それと、女性は感性で買うけど、男性は理屈で買いますよね。実際に売り場をのぞいてみると、何十分もPOPを読んでらっしゃる方って結構多いんです。ですから、店頭に機能特性や着心地の良さなどしっかり説明したPOPを置いて、売り場に来ていただけたらそれを読んでもらった上で納得して買っていただくのがいいと思います。
R: 私は女性がほめてあげることも大事だと思います。彼女が素敵なインナーをプレゼントすれば、彼は喜んで下着にも興味を持つし、いずれは自分で購入するようになるんじゃないですか?若い人たちだけじゃないですよ。おじさんだってかっこよくなりたいっていう思いは同じですから。
株式会社 フジボウアパレル
レディスインナー部 Fさん
W: 自分で自分にもっと満足して欲しいですね。
F: それにカッコ良い男性が増えると、女性だってうれしいですよ!
一同: (拍手)